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価格:¥ 500 ブランド:文藝春秋 発売日:2004-10 通常24時間以内に発送 大きい画像を表示 |
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表題作は、著者の持って回った独特の臭気があって嫌い。もっと単刀直入に、歴史的事実に迫れば良いのに、なかばエセー的な書き振りがよくない。「惨殺」「胡桃に酒」は、秀逸で、とくに、「惨殺」は維新直後の動乱の東北が舞台。情報に疎い地域だけに、なんとなく、時流に乗れず、今から見ると頓珍漢なのだが、「中世の秋」ではないが、維新前後を「近代化」の視点から手繰り寄せるように見るのは一面的で、当時は、十分に「江戸時代の秋」だったのだと思う。その動乱期に、長州出身の2番手の人物が孤軍奮闘、性格的な欠陥が及ぼして、努力が報われず崩壊していく様が悲喜劇なのだが、一方で、寝ぼけたような伊達藩の連中のそれなりの陰険さもリアリティがある。新政府か佐幕かで東北各藩が割れて、なかには「城が落ちる」という時代錯誤的な素っ頓狂な事実まで記載されているのが興味深い。ガラシャを描いた「胡桃に酒」は少し出来すぎだが、何も言うことは無い短編。
表題作の「故郷忘じがたく候」は朝鮮の役で島津に連行された朝鮮人の陶芸職人沈寿官の一族の悲哀を、小説というより筆者の取材のような形で描いています。
話に出てくる14代沈寿官氏の写真を検索してみると、人の好さのにじみ出たご尊顔を拝む事が出来ます。
そもそも焼物の知識が全く無いのですが、こういった作品を通して歴史を踏まえて新しい事を知ることが出来たのはよい事だと思いました。
次の「惨殺」は戊辰戦争で奥州に遠征した官軍の参謀に任ぜられた長州のある人物の悲惨な結末を描いています。
奥羽越列藩同盟という言葉自体はしばしば聞きますが、この頃の、伊達政宗を祖に持つ仙台藩や上杉謙信を祖に持つ米沢藩といった往年の名藩の顛末を知らなかったのでそういう点で楽しめました。
もっとも、顛末とは言いましたが藩の最後までは語られず、主人公の死を最後にして短編は終了しています。
最後の「胡桃に酒」は細川ガラシャの輿入れからその一生の最期までを描いています。
戦国期を通してもガラシャとその夫、細川忠興はそれぞれ特異な性質を持つ人物として色々な話があって有名ですが、
「胡桃と酒」という食い合わせの悪さを自身の夫婦間の関係になぞらえてガラシャが叫ぶ場面は悲運な生活を送っている中にも、
その見事な最期からも窺えるように、日ごろから秘めていた悲壮な決意の顕れを目にしたような印象を受けました。
自身の子供を除いて、父や親類の尽くを処刑されてしまうなど、この人物に対しては「悲劇の女性」という言葉を用いても何ら脚色や遜色など無い女性と言えるのではないでしょうか。
戦国武将の話ではなく、明治維新の話でも
ありません。
島津家に連れてこられた朝鮮の陶工の子孫の
お話です。
派手さはありませんが、時代を越えて
故郷を忘れない彼らの生き方に感動します。
3つの短編が含まれる。
なかなか面白いですね。特に、標題になっている最初のもの。
16世紀末に鹿児島に土着した(させられた。。。薩摩軍によって拉致された)朝鮮半島の人々の話は、なかなか骨太で良かった。
一度この地に行ってみなければと思った。
最後の、「胡桃に酒」は細川ガラシャを扱ったものだけど、これはきつかった。
あまりに美しい人が、異常に嫉妬深い人間に嫁いだなんて言うのがそもそも悲劇なら、そこに部下の女房だろうがなんだろうが歯止めなく手を出す、関白秀吉が絡んでは。。。
いやぁ、これはなかなか鬼気迫る話やったぁ。
なかなか重厚な、さすが司馬遼太郎、そんな一冊でした。
司馬先生の大ファンとして当然読みました。
実は私は白薩摩が大好きです。高価ですから、たった一個の
ぐいのみ(沈寿官作)を持っているだけです。
この作品を読んだ後、そのぐいのみを両手でもって、しみじみと
見ました。何とも言えないクリーム色の地肌に細かいヒビが入っています。本当に美しいものです。
しかし、この美しさの影に、これだけの長い歴史と多くの苦難−異国に来たこと。そしてその異国になじまなければいけなかったこと。
さらになじみつつも祖国を忘れずにいたこと。−のあったことを想いました。
昔、司馬先生の影響でモンゴルに行ったとき、同じツアーに鹿児島出身のおじいちゃん達がいました。
残念ながら、おじいちゃん達の沈氏らに対する言葉には冷たいものがありました。
あれが、鹿児島県の人々の少数意見であることを祈っています。








